その大きな理由は
「食べるものを変えたのに、体調が良くなる方とならない方がいる」こと
学生時代から日米で自然食を学び続け、その理由をずっと考え続けてきました。
バランス、食べ方、玄米の炊き方などたくさんの理由が見つかりました。
でも、一番驚いたのは、〈切り方〉が多くの人々の体調や肌、嗜好に影響していることに気がついたときです。
しかも、きちんと切れれば、健康はもとより、素材をいっそうおいしく、美しく、傷みにくくします。
その粋がお刺身料理と言えますが、プロの日本料理界「切る」立場はとても重く高いことにも納得できました。
「食べるものを選ぶ」ことは、どうしても条件が伴います。
でも「どう料理するか」は今すぐ、どなたでもできます。
それもプロの難しい技術を習得する必要はなく、
ただ、素材を活かすように、滑らかに潰さずに切ればよいのです。
その上、きちんと切ろうとすると、姿勢がよくなり、疲れや身体の歪みが取れるなど、
食べる以前に、料理作業そのもので、健康や癒しになるのです。
これには、なんて素敵なことだろうと感動しました。
私はいつも、真面目に生きている方達の役に立ちたいなという願いがあります。
お金も時間もあって食べ物も好きに選べるような立場の方ではなく、例えば、誰も頼れず、子育て真っ最中のお母さん。介護や仕事で自由になる時間がほとんどない方たち。一生懸命生きようとしている若い子達、です。
「何を食べるか」のノウハウは、世の中に溢れていますが、
「切り方」の授業はほとんどありません。
誰もに身近な「台所で切る」という普遍的な作業が、
一人での多くの方の笑顔と元気につながりますように。
この動画が、その役に立てるなら、とても嬉しく光栄です。
奥津典子